twitter
twitter

新生!熱血ブラバン少女。

東京取材会

記者取材会レポート!

_B5A0208
(左より)加納幸和、宇梶剛士、紅ゆずる、博多華丸、鈴木梨央、星野真里、G2
2月16日、博多座公演としては初めてとなる東京都内での『新生!熱血ブラバン少女。』記者取材会が開催されました。劇作のG2、演出の加納幸和、キャストを代表して座長の博多華丸をはじめ、紅ゆずる、鈴木梨央、星野真里、宇梶剛士が役衣裳にて集い、多くの記者が詰めかける熱気でいっぱいの会場のなかで続いた、和やかな会見を余すところなくレポートします!

はじめに、作品のプロデューサー岸原剛より、企画意図への想いや公演概要の説明が行われました。

プロデューサー_G0A0008
九州発のエンターテインメントを作って
博多座50周年、100周年を目指して
頑張って参ります


プロデューサー 岸原剛(博多座)

本日は大変お忙しいなか博多座25周年記念作品『新生!熱血ブラバン少女。』記者取材会にご参加いただき、本当にありがとうございます。この作品は作・演出G2さん、博多華丸さんの主演で2017年に博多座で上演させていただきました『熱血!ブラバン少女。』から7年、完全新作として上演するものでございます。

この企画を思いつきましたのは、約2年前、コロナ禍の中でございました。我々エンターテインメント業界も、公演が中止になったり、稽古がうまく進まないなど、大変な状況でございました。そんな中で、私は実家に帰ってTVを見ていましたら、精華女子高等学校の皆さんの特集番組をやっておりました。それは3年生の方々の1年間を追いかけたものでしたが、授業もリモートになって学校にすら行けない期間があったり、1年生、2年生とも交流できないなどのなかで、3年生のところに、全国大会を目指す地方大会、県大会も中止になってしまったという通知がくる、そのような番組でございました。僕は正直、可哀想だなと思ってその番組を見ておりましたが、最後の最後、精華女子高等学校での卒業公演が叶った時に、インタビューをされていた3年生が「私たちは可哀想な年代じゃない。友達がいる。このような友達ができたのだから、胸を張ってこれからも生きていこう」と言う意味の話をしていたんです。それを聞いて僕は非常に感銘を受けまして、その気持ちをまたこの新しい舞台に乗せたいと思い、G2さんに相談して、なんとかまた新作を、コロナ禍の話ではないのですが、現代に通じる話をお願いできないかと、無茶ぶりをさせていただいて実現致しました。

ですから今回の作品は、本当に現代にふさわしく、今日的な友達、親子などたくさんのテーマが出て参ります素晴らしい台本にしていただきました。そして今回は、「花組芝居」の加納幸和さんに演出をお願いしておりまして、また新たな、音楽と芝居が融合した作品になると思います。そして主演の博多華丸さん、5回目の座長公演でございますが、ある時は明太子を作った男、ある時は造船所でタップダンスをしたり、太鼓を叩いたりするおじさん、ある時は吹奏楽部顧問の先生と、色々な役をやっていただきましたが、全てが観ていただいたお客様に力を届けてくださる作品になったと自負しています。今回の作品もそういうものになることは間違いないと思っております。

そして前回に引き続きご出演いただく星野真里さんは、前回が本当に大変な稽古だったにもかかわらず(笑)、今回も参加してくださいます。そしてやはり前回に引き続きご出演いただく宇梶剛士さんには、商店会会長の役柄で博多の街も盛り上げていただいております。また紅ゆずるさんは宝塚時代から博多座を熱く盛り上げていただいている方で、博多座25周年記念公演に相応しい方でございます。鈴木梨央さんは博多座初登場でございまして、この作品の為に昨年から新しい楽器の練習を、頑張っていただいております。 そして本日はお仕事の都合で、どうしてもご参加が叶いませんでしたが、浅野ゆう子さんに舞台となる学校の、校長役でご出演をいただきます。楽しみにされている方々も多くおられることと思います。

この作品は大阪公演もございますが、精華女子高等学校の皆さんも共に、大阪でも上演させていただけるということで、ご尽力いただきました新歌舞伎座の皆様、そして関係各社の皆様に御礼申し上げます。我々博多座も25周年を迎え、実はこのように東京で自主製作公演の会見をするのは初めてでございます。地元の皆様はもちろんのこと、是非全国のお客様に、九州福岡の博多座に舞台を観に来ていただき、九州発のエンターテインメントを作って、博多座50周年、100周年を目指して頑張って参りますので、皆様、是非ご協力をよろしくお願い申し上げます。3分の予定でしたが、長く話してしまいました!申し訳ありません。どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。

プロデューサーからの作品への熱い思いを受けて、登壇者それぞれが順番に挨拶をしました。

登壇者挨拶

_B5A0208

劇作
命削って書きました

劇作 G2

本日はありがとうございます。プロデューサーが時間を使い過ぎましたので(会場笑い)僕からは一言だけにしようかと思いましたが、それも失礼なので(笑)。僕としては、1ヶ月前に台本を書き終わってお渡し致しましたので、実は仕事が終わっておりまして、気楽な立場で参加させていただいています。後ほど皆さんから、これからの稽古を含めて意気込みなどを聞いていただければと思いますが、その前にほんの少し僕の話を聞いてください。

2017年に上演された『熱血!ブラバン少女。』は、精華女子高等学校の吹奏楽部をモデルに、精華女子高等学校現役の吹奏楽部の方たちが実際に出演して演奏する舞台を創りたい、という企画をプロデューサーから言われたことからはじまりました。まず、それは面白いなと思ったのですが、ただ、精華女子高等学校の皆さんが、ただ頭と最後に演奏するだけで終わりというような、ある意味添え物のようになってしまう舞台にはしたくないので、ドラマに有機的に関わって絡む舞台にしたい、と話しました。そこから精華女子高等学校の方にも対策をお願いしたのですが、まずそういう演出手法をすることが大変だぞと思いましたし、その時は作・演出でしたので、脚本を書くことがもっと大変だぞと気が付きました。というのは、僕はブラスバンドについて無知でしたので、そこから勉強して色々なドキュメンタリーや、ノンフィクションをたくさん観たのですが、何を観ても号泣するんです。心が震えてしまって、高校球児に近いような、その音楽版というようなものがあって、もうただ泣けると言うか、そういう事実がいっぱいあるわけですよ。その事実に対抗し得る絵空事を書かなきゃいけないというのは、自分にとってすごくハードルが高いなと思いまして、当時、本当にのたうち回って、脂汗を流しまくって、どうしていいかわからないというぐらいの状態になりつつも、なんとか台本を仕上げました。まぁ、台本さえ仕上げれば後はキャスト、スタッフの皆さんの助けを借りて何とかやっていくことができたわけですけれども、大変でした。精華女子高等学校の皆さんも、50人が4組、総勢200人のリハーサルをしなければならないので、(演出の)加納さん、今年はよろしくお願いします。

そして、そこから数年後に、プロデューサーの岸原さんから「また『ブラバン少女』をやりましょう!」という言葉をいただいて、本当に嬉しかったんです。「やった!再演ができる」と。あれだけ苦労したものなので、これは再演して欲しかったし、再演の価値のある作品だと認められたんだと、すごく嬉しかったんです。そうしたら「新作を書け」ということで、即座にお断りしました(登壇者笑)。まずはお断わりしたんですよ、無理ですと。「もうあの時死力を尽くして何も残ってません」と、そう言ったんですけど、しつこいんです。飲みに誘われるとなぜか吹奏楽部の人が同席していたりとか(会場笑い)、もうそういう、あんなこんな、ここでは話せないようなことまで色々とありまして、結局お引き受けし、僕は同時期に別の仕事が入っていましたから、全幅の信頼を置く加納さんに演出をお願いしましたら、やってくださるということで、だったら書きましょうと。ただし、1回やっているテーマですし、同じ博多座ですし、精華女子高等学校の方々も出るということなので、角度を全く変えた違うストーリーと言いますか、違う見方のものにしましょう、ということで話を進めたんです。でも華丸さんのご意向を聞くと、「いや、前の感じがいいな」という雰囲気がしてきましたので、先ほど僕がひと言で済まそうと思ったと言った、そのひと言を言いますと「命削って書きました」(登壇者から感嘆の声)。是非なんとかこれを皆さんで良い舞台にしていただきたいと思います。本当に素敵なキャストとスタッフが集まってくれていますので、僕は良い作品ができるのを心待ちにしています。初日はお客さんとして楽しませていただくつもりです。よろしくお願い致します。


演出
初めて尽くしの大変な仕事を
引き受けてしまって
ちょっと後悔をしております


演出 加納幸和(花組芝居)

「花組芝居」の加納幸和でございます。お恥ずかしいことながら大劇場を演出するのが20年ぶりでございまして、カンが戻っていないのではという感じが致します。G2さんの作品には二度ほど役者として出させていただいているのですが、G2さん劇作本を演出するのは初めてでございますし、華丸さんをはじめご出演の皆さんとご一緒させていただくのも初めてで、この年になってこんな初めて尽くしの大変な仕事を引き受けてしまって、ちょっと後悔をしております(登壇者笑)。老体に鞭打って作り上げていきたいと思います。どうぞご寛容にお付き合いいただけますよう、よろしくお願い致します。


博多華丸
初めて台本を
老眼鏡をかけて読みました


博多華丸

今回博多座さんでやらせていただくのは5回目ということで、5回目にして初めて台本を、老眼鏡をかけて読みました。それだけ時が経ったんだなというのを、身体で感じさせていただきました。前回2017年にこの『熱血!ブラバン少女。』をさせていただいた時には、3年生と、1、2年生の合同チームが4チームぐらいあったでしょうか。毎回、日によってチームが違って、同じ内容ですけけれども、協力してくれる高校生が違うことでそれぞれの見どころもあって。高校3年生が18歳で、僕の長女も同い年で、ちょうど親と子がギクシャクするぐらいの、世代の違い、年の差があったんですね。特に今回は現1、2年生の生徒が出演ですが、前回は、卒業間近の3年生もいて卒業式の次の日が初日だったんです。校則が厳しい学校でもありましたから、「やった卒業できた!」と言うことで、3年生が全員髪の毛を染めてきて(登壇者笑)、ちょっと舞台の台本と違うということで、もう衣裳さんたちが全員の頭に黒いスプレーを塗ったり、鬘をかぶせたり大変だったんです(会場笑い)。でも1ヶ月間ずっと一緒に舞台を踏んでいくと、もう最後の方は本当に卒業式というか、たった1ヶ月ですけれども、1年間通した金八先生のような感じになりまして。3年生が金曜日で終わりで、土日祝日が1、2年生の出演だったんですが、最後に3年生が「なんで私たちは千穐楽をやらせてもらえないんですか?」と、泣きながら帰っていったという、もう本当に青春の1ページに参加させていただいた、回をおうごと良い舞台になったのが2017年でした。

その卒業生もいまは25歳になりまして、その後テレビ局に勤めたりとか、この舞台をきっかけにエンターテインメントの世界に入った子達もいて、舞台は終わったけれども未だに脈々と続いている作品なんです。それが続編と言いますか、また新しく命を削って台本を書いていただいたので、その期待に応えられるように、老眼鏡の度を上げて頑張りたいと思います。よろしくお願いします。


紅ゆずる
母親役が初めてで
母親の思いをわかるいいチャンス


紅ゆずる

紅ゆずるでございます。私は鈴木梨央さんが演じる、葵という女の子の母親役をさせていただきます。私は母親役が初めてで、確かに年齢としては母親役をやっても全くおかしくないのですが、宝塚におりまして男役をやっていましたもので、退団して4年目で、1回も母親役をやったことないので、ここで母親の思いをわかるいいチャンスだと思っています。しかも私自身が博多座さんが大好きで、絶対にあの舞台にもう一度立ちたいという思いがありましたので、このお話をいただいた時に博多座さんにまた立てるということで、とても嬉しく楽しみです。そして私は大阪出身ですので、新歌舞伎座での公演もありますので、凱旋公演だと思って気合を入れて頑張っていきたいと思います。こんなに和気藹々とした記者取材会は初めてで、こんなに笑っちゃって大丈夫なんだ、(登壇者笑)と、ちょっとほっとしております。そしてこの素晴らしい方々と舞台でご一緒させていただきますこと、大変嬉しく思いますのでどうぞよろしくお願い致します。


鈴木梨央
皆さんと素敵なハーモニーを
築いていけるように頑張ります


鈴木梨央

葵役を演じさせていただきます鈴木梨央です。私は吹奏楽部の役も部長の役も初めてなので、すごく身が引き締まる思いですが、私が演じる葵は行動力と責任感がとても強い女の子です。私が葵を演じるにあたって、トランペットの楽器だったり、芝居をする上でも皆さんと素敵なハーモニーを築いていけるように頑張ります。よろしくお願いします。




星野真理
博多という街が本当に
楽しいし、美味しいし
帰るのが嫌だなと思うぐらい楽しい


星野真理

私は今回鈴江響という、産休の先生の代わりに3ヶ月という短い期間、美術の先生としてやってくるという役柄です。前回の『ブラバン少女。』が本当に楽しかったんですよ!お話もそうですし、演じさせていただいたキャラクターもすごく魅力的でしたし、華丸さんはじめ共演者の方々とご一緒にいられる時間が楽しかったし、博多という街が本当に楽しいし、美味しいし、帰るのが嫌だなと思うぐらい楽しい時間でした。ですから今回お話をいただいた時に「また是非やりたいです」とすぐにお答えしました。ただ、再演ではないということで、どのようなお話でどのような人間関係をこれから築いていけるのかな?に、いまワクワクしているところです。今回も精華女子高等学校の皆さんのご協力があるということなので、一番近くの舞台上で生演奏を聞きながら、演ずることができると思うと私自身とても楽しみです。ぜひ多くの方に見ていただきたい作品です。どうぞよろしくお願いします。


宇梶剛
やっぱり博多座の舞台でしか
上演できない作品というのが
確かにあるんだな


宇梶剛

PTA会長で、商店会の会長で、色々な思いを背負っている中心人物となる生徒の父親役でございます。華丸さんとも火花が散る、通常ですと僕いつも、散々暴れて最後は負けるんです。でも今回は分かりませんよ~(会場笑い)。台詞が全部博多弁で、前回の『熱血!ブラバン少女。』で努力してきた、地域の言語を学ぶ為に、博多の街中をくまなく歩いた努力が実る(登壇者が笑うので)そうなんですよ!(笑)。さっきのプロデューサーの説明が長かったですけれども、僕はうなずきながら聞いていました。綺麗事じゃなく思ったことを伝えてるんだと思って、もちろん素晴らしいスタッフキャストがいらっしゃるんですけれども、プロデューサーと華丸さんの二人の色が、カンパニーに静かに染み込んでる、そういう座組なんです。最初に出させてもらった『めんたいぴりり 博多座版』もそうでしたし『熱血!ブラバン少女。』もそうでしたが、博多座でしか観られない舞台というものがあるんですよ、日本に。『めんたいぴりり 博多座版』の時に僕は「なんで東京公演をやってくれないんですか?僕、チケットいっぱい売りますよ!」と言ったりもしたのですが、みんなで話して、創っているうちに、いやいや、やっぱり博多座の舞台でしか上演できない作品というのが確かにあるんだなと感じました。今回は新歌舞伎座さんにも行かせてもらえますけれども、そして、文化の中心は東京という感覚もあると思いますが、是非博多座さんに全国から観劇に来ていただきたいし、それにお応えできる舞台を創っていますので、どうぞよろしくお願い致します。


一人ひとりの言葉から、笑いが多く生まれ、その言葉をすぐ引き取って挨拶が続くという、早くも抜群のチームワークを感じさせる挨拶のあと、集まった記者たちからの質問にそれぞれが答えてくれました。

質疑応答

──G2さん、「命削って書かれた」というお話でしたが、今回はどういった作品を書こうと思われたのでしょうか。

G2

あまり思い出したくないんですけど(笑)、辛い日々だったので。でもとにかく、さっきも申し上げましたが、最初に高校生たちのブラスバンドに触れて、全国大会も見に行かせてもらったのですが、そのあまりの音の迫力、プロじゃないわけですが、プロにはない何かすごい音楽性を感じるというか、ある一瞬の時間でしか接しない、その時間で燃え尽きてしまうからこその何かがあるんじゃないかなと。正しいのかわかりませんが。そしてそこに関しては、精華女子高等学校の現役吹奏楽部の部員である、彼女達が出てきて演奏してくれるのはラッキーなんです。でも彼女たちが1年、2年間を通して積み上げてきたものや色々な感情、いさかいもあるでしょうし、傷つけあったりもするでしょうし、仲直りもある。そういったことで出来上がっていく音楽をドラマにすることを、我々演劇のスタッフがやらなければいけないので、その現実の人たちの想いをできるだけ舞台を取り込めないか。そういう思いで書きました。抽象的な話ですみませんが、今回結構色々ネタバレが多いと言いますか、仕掛けがいっぱいありまして、先ほどもこれは言うか言わないか、という打ち合わせをしたのですが、台本の中身については申し訳ないですがなかなかお話しづらいです。とにかくワンシーンごとに驚きがあり、何か感動があり、そして戦いがあり、癒しがある。かなりてんこ盛りになっている本になったかと自負しております。

──いまのお話を受けて、華丸さん今回の台本を読んでの感想はいかがですか?

華丸

G2さんに本を書いていただくのは『めんたいぴりり 博多座版』『熱血!ブラバン少女。』『羽世保スイングボーイズ』とあって、全部舞台が九州、福岡なんです。G2さんは元々標準語を話す方ですけども、博多弁の本を書くことに少しずつ慣れてこられたと言うか、G2さん独自の博多弁の台本がマジで読みづらいんですよ!(登壇者爆笑)。特殊な博多弁過ぎて、これちょっと書き直した方がいいんじゃないか(笑)っていうぐらい、女子高生がこんな、ばあちゃんみたいな喋り方はしませんよ(登壇者笑)、というのが内容より先に目に入ってきました(笑)。内容は、PART2というのはまず難しいということがあるし、前回ご覧になった方は更にというものを求められるでしょうし、ここから初めてご覧になる方と、色々な人の期待にも応えなきゃいけない。本当に生みの苦しみもあったなか、最大限を尽くしてくれたなという台本でございます。今から稽古が楽しみで、明日から行ってもいいよ、という気持ちにさせてくれるような本でございます。

G2

すみません、ちょっと補足していいですか?僕のめちゃくちゃな博多弁はちゃんと直してありますので、ご安心下さい!(笑)

華丸

いまのは第一稿の話です(笑)

──華丸さんは隔年で博多座で座長公演を務めておられますが、地元で発信するということの思い入れや意気込みと、今回も指揮をされるのか?を伺いたいのですが。

華丸

本当に初めて博多座さんから座長公演を、というお話をいただいた時には丁重にお断りしたくらい恐れ多いお話だったのですが、回を重ねさせていただけるということ、そして隔年でということは、その間の2年間真面目に仕事に取り組んできたご褒美みたいなことかなと。本業で頑張っていなかったら次の座長はさせていただけないかもしれないので、車検をするような感じと言いますか(登壇者笑)、またお話がいただけるということが、一番の喜びですね。まだまだ走れる自動車なんだ、じゃないですけれども、そういう気持ちでお仕事がいただけることを常にありがたいと思っています。指揮に関しては、今回コーチとなっていますけれども、元々体育会系のコーチで音楽には疎いという設定ですので、指揮を任されるかもしれないので必死に練習しなきゃいけないというシーンはあります。それが後に繋がるかどうかは、舞台を期待していただきたいです。稽古自体が1ヶ月ぐらいありますので、その稽古中がオーディションじゃないかなと(登壇者笑)。こいつに指揮を任していいものかというね。本当に前回は何しろ精華女子高等学校吹奏楽部は、日本一の吹奏楽部なので、僕がいなくても演奏できるんです。僕は彼女たちに合わせながら行くみたいなことでやっていたのですが、やっぱり指揮があっての吹奏楽部というのが本来は理想だと思ので、なんとか負けないように稽古したいと思います。

──鈴木さん、トランペットを吹く役ということで、これまで楽器のご経験はあったのかということと、練習の進捗状況を教えてください。

鈴木

金管楽器自体に触れるのが初めてで、トランペットも去年から練習させてもらっているのですが本当に難しくて。何より三つのピストンの中で、どうやって音を出すんだろうというところから始めたので、息の速さだったり、色々と大変です。何よりも私以外の同世代の生徒役の皆さんも、楽器を経験したことがないという方が多かったので、自主練をしたり、基礎練習をみんなでしたり、ゆっくりしたテンポで合わせたりという練習を、いましています。

──紅さん、長年男役をされてきて今回初めての母親役とのことですか、どのように演じようと考えていらっしゃいますか?

退団して4年経っていて、女優なので女性の役をするのは当たり前なのですが、最初は「女性の役」というところで止まっていたんです。知らないうちに足は開くし、肘は張るしという感じで。でも今はそういうところは抜けましたし、私は親になった経験がないのですが、子供に対する愛情というのは母親が一番強いとよく聞きますから、その包容力みたいなものは、ちょっと男役を引っ張ってきてもいいのかな、経験が役に立つのかなと思っています。あとは葵との距離感ですよね。べったりではなく、もう少し離れてみるのも愛情なのかなど、今まで考えたことがなかったので、自分にとってもすごく幅が広がる役柄だなと思っております。

──華丸さん、キャストの皆さんが「博多座が大好きだ」と口々におっしゃっていますが、博多座の魅力はどんなところにあるとお思いですか?

華丸

まず中洲が近いということですね(爆笑)。僕も漫才ではありますけれども、お芝居ではそこまで全国の舞台に立たせていただいたわけではないのですが、やっぱりお客さんの雰囲気が良いんです。特に僕が任せていただいている舞台はだいたい3月、4月が多くて気候も良くて、みんなが巻き起こす空間、お客様の温かさに博多座ならではのものがあるかもしれないなと。また僕が地元というのもあって、歓迎していただけるところもキャストの皆さんに伝わっていますし、東京からのキャストの皆様は家から通っていないという楽しさもあるんじゃないですか?(登壇者笑)。家から通うというのは仕事感がありますけど、と言っても仕事なのですが(笑)、やっぱり良い意味でお芝居に集中できるところが博多座にはありますね。

宇梶

ケータリングとかも。

華丸

そうですね(笑)美味しいお店もすぐ近くにあるので、公演後のご相談にも乗れます(登壇者笑)。そういうことを含めて博多座を心から楽しんで、その楽しさをまた舞台で発揮していただけたら、お客様にもまた楽しんでいただけるのではないかと思います。

和やかな会見は以上で終了となり、公演への期待が大きく膨らむなか、全員を代表して博多華丸さんが、公演への意気込みを語りました。


博多


華丸

この舞台は現役の女子高生と共に作り上げていく舞台ですし、本当に前回2017年の公演は、女子高生と共に我々も成長させていただいて、1年間を1ヶ月に凝縮したような舞台になりました。今回は『新生!熱血ブラバン少女。』ということで、前回よりももっとそういう気持ちになれるように、そうした達成感が千穐楽に味わえるような舞台にしたいと思いますので、ぜひたくさんの方に観ていただきたいです。どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。


_B5A0208

(取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳)

特別協賛

  • 大口酒造
  • 積水ハウス

協賛

  • オートウェイ
  • オフィスネットワーク
  • 明月堂
※50音順
ページトップへ